「催情記」☆物をくる事

☆物をくる事

 

知音にても当座御はなし候ものにてもものをしんずる(進ずる)に御しんしやくも御心ねあさまし

あまりくれすぎ御無用におほしめし候はば物すき気にあはぬほどにあづくるなどと御はづし有べく候それもたびたびもらはねばあひてつる物也

このだん御心中人により間によるべしばんし(万事)かたふする事なかれ

わがものをも人にやり又われもほしきものあらばぢきに御もらひあるべく候

人つたへにはあぢわろしさやうの事あまりあまりすぐれは人わるくち(悪口)いふもの也

とかくとかくすぎたるはをよはざるにはしかじ(過ぎたるは及ばざるに如かじ)と申候