「催情記」☆かたじけなき御文躰の事

☆かたじけなき御文躰の事

 

文躰によりかたじけなき事しなしなあるべく候

相手によりこころごころにて御入候ままこまかには申されず候

はなから御状にはみじかきよりながきがいつもよく候

ざれ事(戯言)まじりにいかにもいかにも御心やすき躰(てい)よきなり

ていきん(庭訓往来か?)なるはあしく候

あるひは大名高家なりとも文躰さけて慮外にあそばしたるがよきなり

またふかきあさき(深き浅き)は心中にあるべく候