2020-04-11から1日間の記事一覧

「催情記」☆口中の事

☆口中の事 楊枝をくはへ(咥へ)せつゐんへみがきずな(磨き砂)をもちゆき(持ち行き)ゆるゆるとみがき(磨き)其後たはこ(煙草)をのめば(喫めば)腹中よくつうずるもの也もつともよいきびじや 返々かがみ(鏡)を見てすいしやう(水晶)のごとく御みがきかんよう也 ほ…

「催情記」☆あさおきの事

☆あさおきの事 ねがほ(寝顔)はわるひものぢやほどに おきおきからてうづ(手水)かほ(顔)をなで(撫で)さてはながみ(鼻紙)の中のこぐし(小櫛)を取出しまへかみ(前髪)をなでつけ(撫で付け)かみをばちやせん(茶筅)にゆひ(結ひ)御いであるべく候

「催情記」☆若衆御病気の事

☆若衆御病気の事 大病は七里けんばい(七里結界※)じや すこしのがいき又は御自などすこし御わづらひ候てたて(伊達?)なもの也 御病中第一よきよる(夜)の物 ふとんの上へ御よりかかりいかにもいかにもしどけなき躰に候へばだて(伊達)な物也 さてねまき一つ前に…

「催情記」☆年老若き時心持ちがふ事

☆年老若き時心持ちがふ事 物すきなどもびじやくになきやうにとかく心もちかんよう(肝要)なり わか衆のときはおもて藝御無用□□にて御けいこなさるべく候 外へ出し候まじく候ただし座敷により小うたなどはいかが候はんや 御心持次第わきてそれとはいひがたし

「催情記」☆使音信の事

☆使音信の事 おぼしめす方へ御使御状つかはされ候はばなににても御そへ候てつかはさるべく候 此名香ただ今参□をきき申ことのほかよく候ままわれらにほひとおぼしめしたうせられ御らん有べく候 花などはなに花にてもよく候 ときどきはたんしやく(短冊)をつけ…

「催情記」☆病中雨中見廻(みまい)状の事

☆病中雨中見廻(みまい)状の事 知音はもとより二三度御はなしなされ候共かわひや(可愛や)とおぼしめすものならばなを(猶)もつての御事 さて存命不定にわづらひ候時やたけに(弥猛に※1)思ひつきそひかんびやう(付添い看病)もしたいしたいと思ひ候へ共小姓なれば…

「催情記」☆ちやの事

☆ちやの事 御若衆様はかならず上座へしやうずる(招ずる?請ずる?)物也 かたくじぎ(辞儀)なされ候へば見たもなひものじやたとへくげてん上人(公家殿上人)ありといふとも上人なをし候べく候 もとより御ちや(茶)のときもさきへまいり候がよく候 さてつぎへ御ま…

「催情記」☆さかづきの事

☆さかづきの事 さけ(酒)はのまぬ(飲まぬ)がよし むり(無理)にしゐる(強ゐる)共あなたこなたと御申候て□はづしなかるべく候 そうべつわか衆は下戸がよし(良し)たとひ上戸なりともけこがほ(下戸顔?)しかるべく候 上ごはきらふ事也 なにとしても一義ののちわれ…