「催情記」☆若衆御病気の事
☆若衆御病気の事
大病は七里けんばい(七里結界※)じや
すこしのがいき又は御自などすこし御わづらひ候てたて(伊達?)なもの也
御病中第一よきよる(夜)の物
ふとんの上へ御よりかかりいかにもいかにもしどけなき躰に候へばだて(伊達)な物也 さてねまき一つ前にをき(置き)わきに小つつみ(小鼓)哥書又はすずりかみ(硯紙)
くし道具(櫛道具)かうぼん(香盆)にほひのだうぐ(匂ひの道具)すこしづつ御かざりなさるべく候
だうぐおほければこまものみせ(小間物店)とりうり(取り売り)のやうないかにもいかにもたたみめろくに御かざり候□(が)なんぼう見事なものにて候
※① 密教で、魔障を入れないように、七里四方に境界を設けること。
② 人を忌みきらって近づけないこと。人を寄せつけないこと。